夏だからこそ気になるマスク肌荒れ

夏だからこそ気になるマスク荒れ

これまで屋外では、マスク着用は原則不要、屋内では原則着用としていましたが
令和5年3月13日以降、マスクの着用は、個人の主体的な選択を尊重し、個人の判断が基本となりました。

マスクを付けなくなる場面も増えてくると思いますが、病院を受診する時や医療機関・高齢者施設などを訪問する際、通勤ラッシュじなどの混雑した電車やバスに乗車する際はマスク着用が推奨されています。
また、高齢者や基礎疾患を有する方、妊娠中の方はご自身を守るためにマスク着用が効果的です。

まだまだマスクを使う場面が多いと思いますので、今からの季節マスク肌荒れの予防・対処もしっかり行っていきましょう。

夏マスクの悩みは?

夏にマスク着用をする際、最も多い悩みは「暑い」で81.5%、次いで「マスクの中が蒸れる」が80.4%と、暑さや蒸れという夏特有の悩みが、80%以上となっています。さらに「マスクへのメイクの付着が気になる」が64.0%、「化粧崩れが気になる」が51.2%と、メイク関連の悩みが続きます。その他にも「マスク焼けが気になる」42.1%や、「肌荒れしやすくなる」、「ニキビや吹き出物が出やすくなる」などの肌悩みを抱える方が多いという結果が出ています。

マスク荒れの原因と症状

  • マスクを外したときの「乾燥」

マスクで覆われていた部分全体に症状がある時や、肌につっぱり感やカサカサなど、乾燥の症状を感じるときは、マスクが原因で肌が乾燥状態になってしまっている可能性があります。マスクをつけている間は、マスクの中に吐息の水分が充満しているので、何となく肌が潤っているように感じる事があるかもしれません。

でも、マスクを外した後が要注意なんです。お風呂上りに肌がつっぱるのと同じように、マスクを外した瞬間、一気に水分が蒸発してしまうので肌はマスクをしていない時よりも乾燥状態になってしまいます。つっぱり感やヒリヒリ感を感じることがあるかたも多いのではないでしょうか。肌が乾燥すると、バリア機能が低下してしまいます。弱った肌に細菌やウイルスが侵入して、口唇ヘルペスができやすくなったり、湿疹やニキビができてしまう原因になってしまうことも。

 

  • 蒸れ
    マスクを着用するとマスク内は軽い密閉状態になり、息などによって蒸れが生じます。そのため、雑菌が繁殖しやすくなり、ニキビなどの肌あれにつながりやすくなります。
  • マスクの素材や付着した「花粉やホコリに対するアレルギー」、抗菌剤による刺激やアレルギー

使い捨てマスクには、細菌などの繁殖を抑える目的で、抗菌剤が含まれていることが少なくありません。この抗菌剤が肌への刺激やアレルギーの原因となり、肌あれを起こすこともあります。特に敏感肌の方は、アレルギー反応を起こしやすいので注意が必要なのです。

また、マスクが原因で、「接触皮膚炎」という、肌で生じるアレルギー反応が出てしまうことも。アレルギーの原因は、マスクの素材自体や、マスクに付着した花粉やホコリなど様々です。アトピー性皮膚炎のように赤くただれて粉をふいたり、軽いかゆみがあることが多いのが特徴です。持病でアトピー性皮膚炎があったり、アレルギー体質の人は特に要注意しましょう。

 

マスクを着用すると、マスクによる摩擦が起き、それによって肌あれが起きることもあります。特に使い捨てマスクに使用されている不織布は、製品によっては肌当たりが硬いこともあり、摩擦が起きやすいことがあります。マスクによる摩擦が起きると、皮膚のバリア機能が低下し、肌あれが起きやすくなります。

マスクは素材や機能で選ぶ​

少しでも快適に過ごせるように、自分に合ったマスクを選ぶようにしましょう。
選ぶポイントは、大きく分けて2つあります。​

  1. 素材で選ぶ​
    天然素材、化学繊維素材問わず、その特長を生かし、マスク内の温度の上昇を抑え、汗で蒸れないように通気性・速乾性・吸湿性が優れているマスクを選びましょう。​肌に触れると冷たく感じる接触冷感、さらっとした着け心地に加工されたマスク、防臭や抗菌効果を持つマスクなど、必要に応じて機能を高めているマスクもあります。

  1. 天然素材のマスクを使用する
    肌荒れ防止には、マスクの素材を変えることも効果的。例えば、綿ガーゼやシルクなどの天然素材のマスクを使用すると、肌への刺激を和らげることもできます。​

肌に触れるとゴワゴワしたり、チクチクしたりする素材のものは避け、肌触りのやさしい天然素材のマスクを選ぶのがおすすめですよ。

とはいえ、感染対策として不織布マスクの着用を求められることもありますよね?

天然素材のマスクの着用が難しいケースもあるでしょう。そんな場合は、不織布マスクと肌の間にやわらかい素材のガーゼやコットンをはさむと、肌への刺激を軽減することができますよ。

マスクやマスクの中にはさんだガーゼやコットンがムレてきたら、交換するとさらに良いでしょう。替え用にマスクやガーゼ、コットンを複数枚用意しておくようにしましょう。

サイズの合ったマスクを使用する

顔のサイズにフィットしていないマスクを着用すると、マスクがずれてしまい、摩擦刺激を引き起こして肌トラブルの原因となってしまいます。

大き過ぎるマスクはずれ落ちやすく、小さ過ぎるマスクは肌を圧迫してしまうのでどちらも継続して着用すると、肌へのダメージにつながってしまいます。

マスクを購入する際は、小さ過ぎず大き過ぎない、自分の顔に合ったサイズのものを選ぶようにしましょう。

肌荒れ対策

マスクによる肌荒れは、悪化する前に対策していきましょう。そのためには、日ごろのスキンケアが重要です。

  • クレンジング
    クレンジングは低刺激で、とろみのあるものが肌に優しくおすすめです。マスクで肌のバリア機能が低下しやすいので、クレンジングは肌を擦るシートよりも、ジェルやミルクタイプを使うのがオススメです。

なるべく肌を擦らないようにするには、W洗顔不要のものを選ぶのもよいですね。肌を労わるために、肌負担の少ないクレンジングをつかうことが大切と言えます。汗、皮脂、メイク汚れをしっかり落とすために、クレンジングはていねいに行うようにしてくださいね。

  • 洗顔
    洗顔はしっかりと泡立てて、濃密な泡を作りましょう。洗顔するときは、肌に手が触れないように泡で洗うようにしてください。長時間洗顔料を肌にのせておくと肌への刺激になることもありますので、濃密な泡でていねいに洗いつつ、さっと洗い流すことが大切なのです。

洗い流すときは、冷たいと感じないくらいのぬるま湯ですすぐと、しっかりすすげます。肌に洗顔料が残ってしまうと肌荒れやニキビの原因になってしまうので、すすぎもていねいに行い、タオルで拭き取るときは擦らずにぽんぽんと水分を拭き取るようにしましょう。

  • 保湿
    洗顔後はしっかりと保湿を行いましょう。保湿をしっかり行わないと、肌の乾燥が進み、肌のバリア機能が低下した状態になります。化粧水は肌にうるおいを与えます。適量を肌に馴染ませて、乾燥を感じるようなら重ねづけするといいですね。手でつける方もいらっしゃいますが手のひらって案外乾燥していて化粧水を吸い取ってしまうのでコットンを使うのがおすすめです。化粧水をつけるときは、肌を擦らないように気を付けましょう。刺激に対して肌トラブルを起こしやすくなるため、敏感肌になりかねません。洗顔後の保湿は、肌のバリア機能を維持するためにとても重要なことなのです。せっかくつけた化粧水が無駄にならないよう乳液やミルクでふたをしてあげましょう。

マスク荒れが起きてしまったら

マスクをつけていた部分がつっぱったり、カサカサしたりするなどの軽い乾燥症状が出たら、ワセリンなどの保湿力の高い保湿剤でこまめに保湿を続けると、たいてい自然に回復していきます。ただし、赤み・かゆみ・ヒリヒリ感がある場合は、皮膚に炎症が起きているので、ステロイド外用剤を使ってすみやかに炎症を抑える必要があるといえます。顔は身体の他の部位に比べて皮膚が薄く、ステロイド成分が浸透しやすいため、弱めのステロイド外用剤でも充分な効果が期待できます。ただし長期連用にならないようご注意ください。症状が気になる方は早めに病院で相談しましょう。

マスク着用ルールの緩和により、自分自身の健康を守り対処することがより重要になってきます。マスク着用ルールが緩和された今だからこそ、日頃から自身の体調と向き合いながら生活するように心がけていきましょう。